夢見るヨセフと兄弟たち

創世記37:1~11

聖書は「ヤコブがヨセフを偏愛したのは、年寄り子であった」と述べています。ヤコブは、ヨセフに特別な着物を与えました。物をもって愛を表すことは、異常な愛情のしるしです。神の愛に基礎を置かない人間的な偏愛や溺愛は、何一つ良い結果を生まないのです。続いてヨセフは、麦束と天体の夢を兄たち及び父に語りました。この二つの夢は、将来、ヤコブと息子たちがエジプトでヨセフの前にひれ伏すことを暗示しています。いずれにしても、兄たちは、ヤコブがヨセフをかわいがるのを見たり二つの夢を聞いたりして憎しみが増幅しました。人間の憎しみが引き起こす悲惨は、私たちの周辺で絶えず起きる事件が物語っています。もし、私たちが他人に対して羨望の目で見たり、憎しみの思いを抱いたりするならば、悲惨な状況に陥ることをこの物語は語っています。キリスト者の見る夢の中には将来、人々の救いとなる働きに従事するものもあるのです。しかし、私たちは、「この夢は、自分自身の内から出たものか、それとも神の御心によるものか」を見極める霊的力を養う努力を惜しんではならないのです。

                        2019年7月7日 加山彰一