神はその民を顧みられる

ルツ記1章1~7節前半

ルツは、モアブの女性です。マタイによる福音書1章の「イエス・キリストの系図」によれば、ルツはボアズの間にオベドを産み、オベドはエッサイを、エッサイはイスラエルの王となるダビデをもうけています。すなわち、ルツはダビデの曾祖母ということです。そして、ダビデの末裔にイエスが連なるのです。ルツ記の主役は、ルツではありますが、その姑のナオミの存在を決して忘れることができません。ナオミは、夫や二人の息子の死という不幸に遭遇しても希望を失わない神への強靭な信仰を有していました。ルツは、ナオミの内に秘めた信仰を受けとめ、彼女にとっては異教の地であるベツレヘムに向かい、その地で神の恵みと祝福を受けるのです。私たちも先行きの見通しの効かない状況に立たされることがありますが、ひたすらに神を信頼し、前進する時に思いも寄らない神の祝福を受けることができるのです。

 2019年9月1日 加山彰一