アブラムへの神の祝福 

創世記12章1~9節

アブラム (後のアブラハム) は、神に「わたしが示す地に行きなさい。」と命じられ、妻のサライ(後のサラ) と甥のロト、財産とハランで加わった人々を共にカナン地方に向かいました。私たちの知る限り、アブラムは、唯一の神の呼びかけがなされた時、神に対して文句や理屈を言わずに、直ちに従ったということです。神の召しに応えるとはそういうものなのです。アブラムにとってこれほど過激な召命はなかったに違いありません。神は、すでに地上の放浪者であったアブラムに命じて、彼が定住していた地域を永久に後にするように言われました。彼が知っていた生活上のわずかな確実なことさえも、さらに不確実なことのためには捨て去らなければならないのです。信仰とはそういうものです。神の祝福は、アブラムが神の御言葉に従ったことから始まります。もし、アブラムが神の呼びかけに応えていなかったならば、今日のイスラエルはなく、キリスト教会も存在しませんでした。また、私たちの生活の指標とする聖書もなく、人生はむなしいものになっていたでしょう。事実、アブラムが神の御言葉に聞き従ったことによって今日の教会とキリスト者が存在するのです。これこそが神の祝福です。

2018年7月1日 加山彰一