イエス・キリストの降誕の絵画ほど多くの人に描かれている題材は少ないと思います。それは、時代や民族を越えて、人々が共に普遍的な関心を表していることの証しです。
主イエスの降誕をヨセフに伝えた天使は、やがて婚約者のマリアから生まれる男の子が「インマヌエルと呼ばれる」と告げています。インマヌエルとは、ヘブライ語で「神は我々と共におられる」という意味です(マタイ1:23)。この言葉は、すでに旧約聖書のイザヤの預言に出ています(イザヤ7:14)。
私たちの主は、強い者たちの間で踏みにじられ、暗闇の中に住んでいる人々を顧み、その悩みや苦しみを自分のものとして負い、彼らに救いを与える救い主です。そのことを現す一つのしるしがイスラエルのみならず、私たちに与えられました。おとめマリアに男の子が生まれます。彼は人間として一切の苦しみと喜びを私たちと共に分かち合う神の姿をあらわしています。
イエス・キリストを信じる信仰を明白に表している言葉は、この「インマヌエル」であると思います。たとえ、人々からあまり顧みられないところにいようとも、また、暗闇が支配するように見える時代に旅していても、私たちが「神は我々と共におられる」という一点に立つとき、救いと希望に溢れる今日の働きに向かって行くことができるのです。まさしく、イエス・キリストは、私たちの救い主です。
「御子は見えない神の姿であり、すべてのものが造られる前に生まれた方です。天にあるものも地にあるものも、見えるものも見えないものも、王座も主権も、支配も権威も、万物は御子において造られたからです。つまり、万物は御子によって、御子のために造られました。御子はすべてのものよりも先におられ、すべてのものは御子によって支えられています。」(コロサイ1:15~17)
2019年12月8日 加山彰一